マツダ×ミドリムシ!100%次世代液体燃料とは

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ミドリムシを培養・開発しているユーグレナ社のスローガンは「人と地球を健康にする」です。今、ユーグレナ社やマツダ株式会社などを中心として取り組まれているのは、

①ミドリムシで地球を元気にするエコな燃料をつくる
②エコな燃料作りで出てくるカスで家畜も元気にする

という一石二鳥のプログラムです。

今回は、「マツダ×ミドリムシ!100%次世代液体燃料とは」と題し、マツダ株式会社を中心としたひろ自連とミドリムシの培養をおこなっているユーグレナ社が取り組んでいる二酸化炭素を全く増やさない自動車燃料をつくる取り組みについて紹介します。

1.二酸化炭素を全く増やさないミドリムシのエネルギー

マツダを中心としたひろ自連とユーグレナ社が取り組んでいる「地球を健康に」するプログラム、次世代燃料エネルギー。2020年への実用化に向けて、快走中です。

マツダ×ユーグレナ 次世代液体燃料を2020年に

マツダ×ユーグレナ 次世代液体燃料を2020年に
2018年6月、自動車メーカーのマツダとユーグレナ社は次世代燃料の開発に向けて事業提携を発表しました。

ユーグレナ社は2005年の創業時から、「ミドリムシでジェット燃料を飛ばす」という夢を公言していましたが、次世代燃料の開発、実用化が成功した際には、身近な道路をミドリムシの燃料を使った車が走ることになります。

一般的な感覚からすると、当初夢として掲げていたジェット燃料の方が自動車の燃料よりも難易度が高いように思えるかもしれませんが、実はジェット燃料はミドリムシの持っている油に特徴が非常に似ている特徴があり、比較的作りやすいという事情がありました。逆に言えば、身近な自動車の燃料だからといって簡単につくれるというわけでもありません。

しかし、マツダ株式会社とユーグレナ社はミドリムシなどを使った100%次世代液体燃料を2020年の実用化を目指しています。

100%次世代液体燃料ってなに?

100%次世代液体燃料ってなに?
「100%次世代液体燃料」って少し耳慣れない言葉ですよね?

ガソリンやディーゼルなどの石油系の燃料による環境問題(地球温暖化)や資源の枯渇についてはニュースなどでよく報じられています。それに対応する方法の一つとしてバイオ燃料の活用に関する研究や対策が進められています。ミドリムシもバイオ燃料の一つですが、生物体の持つエネルギーを利用したアルコール燃料のことです。

バイオ燃料の研究はいろいろとおこなわれていますが、そのうちの多くが軽油やガソリンにアルコール燃料を混ぜるタイプの燃料です。

それに対して、今回マツダ株式会社とユーグレナ社が取り組んでいるのは100%のバイオ燃料です。

具体的には、100%次世代液体燃料とは使用済みの天ぷら油やサトウキビの燃料とミドリムシの油を混ぜた燃料のことを指します。

従来の軽油やガソリンにアルコール燃料を混ぜたタイプのバイオ燃料は、二酸化炭素排出量を減らすことはできますが0にはできません。100%次世代液体燃料なら、二酸化炭素排出量0の「カーボンニュートラル」を実現できます。

マツダが中心となっているひろ自連とは

この取り組みは、正確にはマツダ株式会社×ユーグレナ社ではなく、マツダを中心としたひろ自連×ユーグレナ社でおこなわれています。

ひろ自連とは、2015年に発足した広島県の産学官が協力して広島地域の自動車産業の発展に向けた取り組みをおこなっている団体です。

ひろ自連を構成するのは、マツダ株式会社、広島県、広島市、公益財団法人ひろしま産業振興機構、経済産業省中国経済産業局、国立大学法人広島大学です。いわば企業、行政、学校の広島県オールスターチームのようなものですね。

「一粒で三度おいしい」ミドリムシ!燃料と飼料で余すところなく有効活用できる

次世代液体燃料の取組ですが、「二酸化炭素0」というだけでも地球に対してすごく優しいと思いますが、それで終わりではありません。

燃料に使用したミドリムシの残りカスを家畜の飼料や養殖魚のエサとして活用するというものです。燃料に使用するのはミドリムシのワックスエステルという油の部分だけですので、残りの部分はカスとして普通はゴミになります。しかし、ミドリムシは今健康食品として大流行しているほどの健康食品。残りカスといっても、ビタミンやアミノ酸、ミネラルなどが豊富に含まれた貴重な栄養源となるんです。

つまり、牛や豚、魚たちの栄養たっぷりのエサになるということです。
実用化された場合、「一粒で二度おいしいミドリムシ!」となりますね。

そのミドリムシを食べた動物や魚を私たちがおいしく食べられるので「一粒で三度おいしい」といってもいいかもしれません。さらに言えば、ミドリムシを食べることで、家畜や魚が食べるエサの代わりに人が食べる野菜や穀物を作ることができるので、間接的にではありりますが将来的な食糧難も解決できる可能性があります。

ゴミも二酸化炭素も出さないミドリムシエネルギー。地球と人と動物を健康にしてくれる、というわけですね。

ミドリムシは餌や肥料になる!

ミドリムシは餌や肥料になる!
ところで、家畜や魚たちにとってミドリムシは美味しい食品なのでしょうか?

その答えは牛さんや豚さんにインタビューしてみなければわかりませんが、もしかすると元々自然界ではミドリムシは「おいしいもの」として知られていた・・・かもしれません。

ミドリムシの屋外大量培養にユーグレナ社が世界で初めて成功したのは2005年のこと。1980年代から栄養価の高さが注目され、NASAなどでも研究が進められていたもののそれまでことごとく大量培養に失敗してきたのは、空気中のバクテリアや細菌、微生物などにミドリムシが食べられてしまうことが大きな原因でした。

ミドリムシは、0.05mgというとても小さな体なので、食物連鎖の一番下にいます。
私たちが直接口にすることはありませんでしたが、長く他の生き物たちに食べられてきた歴史を持っているんです。私たちが普段食べている魚やお肉も、食物連鎖をたどっていくとミドリムシに行き着く可能性は少なくありません。

2.まとめ

栄養補助食品や化粧品として高い人気を誇っているミドリムシ。
マツダ株式会社を中心としたひろ自連とユーグレナ社との共同開発により、二酸化炭素を全く増やさない100%次世代液体燃料の取組もスタートしています。さらに、燃料の残りカスで家畜や養殖魚も育ててしまうというのだからすごいですよね。

驚くべきことに、2018年に協業が発表されたばかりにもかかわらず、実用化の目標は2020年。自動車メーカーだけに非常にスピード感にあふれています。

近い将来、広島県だけではなく日本全国で、ミドリムシを使ったエコな燃料で自動車が走っていると社会になっていると、空気も美味しくなりそうですね。

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